導入事例
バーチャルオンリー型

会社として初めてのバーチャルオンリーを“新任担当者2名”で実施。ICJ、NTTビズリンクと共に挑んだ舞台裏

株式会社FIXER 様

写真右:阿部 謙一さま(経営企画領域長)
写真左:亀沢 千恵美さま(経営企画領域担当)
企業名
株式会社FIXER
企業概要
日本のDXを加速させることを使命に、クラウドソリューション及びサービスを提供。プロジェクト型サービス(クラウドシステムの開発、既存システムのクラウド移行)、マネージドサービス(保守、運用、追加開発)、リセール(Microsoft Azure・AWSの提供、)、SaaS(生成AIサービス「GaiXer(ガイザー)」)の4つのビジネスモデルを展開している。
業種
情報・通信業
株主数
4,871名(2024年8月末時点)
決算期
8月
上場市場
東京証券取引所 グロース市場
証券コード
5129

株式会社FIXERは、2023年11月にICJのVSMプラットフォームを活用して上場後初の株主総会をハイブリッド出席型で開催。定款変更を経て、2024年にはバーチャルオンリーを開催しました。新任担当者として運営を担当された阿部 謙一さまと亀沢 千恵美さまのお二人に、初めてのバーチャルオンリーを開催した体験談、そしてICJ、エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社(以下、NTTビズリンク)との協力体制について伺いました。(以下敬称略)。

バーチャル株主総会の活用は、株主の皆さまの利益にもつながる

2023年11月にハイブリッド出席型、2024年11月にバーチャルオンリーで株主総会を開催された背景を教えてください。

亀沢デジタル化を推進するクラウドネイティブカンパニーとして、バーチャル株主総会を積極活用することは、株主の皆さまの利益にもつながると考えていました。そのため、2022年10月の上場当初より、バーチャル株主総会の開催を検討していました。その中でも、特に幅広い株主の出席と運営の効率化が両立できるバーチャルオンリーの開催を検討していました。また、海外でも、新型コロナウイルス感染症の流行を経てバーチャルオンリーが急速に普及した背景などもあり、当社としてもテクノロジーを積極的に取り入れていくという考えもあったと思います。
(前任者の退職により、阿部さま、亀沢さまは2024年11月総会から株主総会運営を担当)

バーチャルオンリーの開催には、一度リアル会場を伴う形式で、「場所の定めのない株主総会」を開催可能とする定款変更を実施する必要があります。そのため、実質上場後初の株主総会となった2023年11月は、ハイブリッド出席型で開催し、定款変更を行いました。

阿部:ハイブリッド「出席型」で開催した理由は、翌年の2024年11月のバーチャルオンリーの開催を見据えて、準備や当日の株主総会運営に慣れるためでした。ハイブリッド出席型は会社法上の「出席」に該当するため、オンラインからの質問受付や議決権行使の対応を行う必要があります。翌年に予定していたバーチャルオンリーでも同様の対応が必要となるため、ハイブリッド出席型を選択しました。

また、ハイブリッド出席型では、動議はリアル会場のみに制限することも可とされていますが、翌年にバーチャルオンリーの開催を見据えていたため、オンライン出席者からの動議の受け付けも実施しています。

阿部 謙一さま(経営企画領域長)

急遽、新任担当者2名で初のバーチャルオンリーを担当。手探りで準備を開始した

2024年11月のバーチャルオンリーから株主総会の運営を担当されていますが、その背景について教えてください。

亀沢:実質上場後初の株主総会となった、2023年11月のハイブリッド出席型を担当した前任者が退職することとなり、2024年11月のバーチャルオンリー株主総会は急遽私が主担当となって運営を行うことになりました。それまでは株主総会の運営をメインで担当した経験がなかったため、そもそもバーチャル株主総会に必要なものは何か、その中でもバーチャルオンリーはどのように準備を進めたら良いのか、右も左もわからない状態からのスタートで、とても不安を感じていました。

阿部:私は2024年11月総会直前の9月に入社し、前任の担当者から引き継ぎを受けました。前職でリアル会場での株主総会を担当した経験が一度だけありましたが、バーチャル株主総会は初めての経験でした。株主総会の運営を担当する経営企画は私と亀沢の2名体制のチームなので、2023年11月のハイブリッド出席型を経験していない私たちは、間近に迫った2024年11月のバーチャルオンリーの開催に向けて、手探りで準備を始めました。

亀沢 千恵美さま(経営企画領域担当)

開催イメージが湧かない中、実務面と技術面で丁寧なサポートを受けられた

初のバーチャルオンリーに向けた準備をどのように進められましたか。

亀沢:2024年7月ごろから本格的な準備を開始し、VSMプラットフォームとバーチャルオンリーの実務面についてはICJに、撮影配信や映像に関してはICJのパートナー会社であるNTTビズリンクに相談しました。また、撮影配信会場としては社内のスタジオを手配しました。

はじめはバーチャルオンリーの開催イメージが湧かなかったため、何名程度で対応する必要があるのかをICJに確認するところから始めました。バーチャルオンリーでは、質問や議決権行使、動議の対応が伴うため、プラットフォームの操作担当は2~3名程度配置する必要がありました。その中で、リハーサルと当日を含めて、会場でICJの担当者にプラットフォームの操作をサポートしてもらえる「オンサイトサポート」のおかげで安心して臨むことができました。

また、バーチャルオンリーで必要となる議事進行の方法や、質疑応答で想定される質問内容、議決権行使や動議の対応方法まで、VSMプラットフォームに直接関連がないように思われる相談に対しても、真摯に対応していただきました。

撮影配信の準備について、一般的なライブ配信では、撮影から株主に映像が届くまでに「タイムラグ」が約20~30秒程度発生するため、それを考慮したシナリオ進行やプラットフォームの操作が必要となってしまいます。そのため、議決権行使や質問を伴うハイブリッド出席型やバーチャルオンリーの開催を実施・予定していた当社としては、タイムラグの解消が課題でした。

その点について相談したところ、NTTグループが開発・提供をしている超低遅延ライブ配信サービス「Smart vLive」であれば、タイムラグ約1秒未満で映像と音声を株主に届けることができるため、タイムラグを考慮した運営がほとんど不要となり、事務局の運営負荷が軽減されるとご案内いただきました。

NTTビズリンクには、撮影配信会場となった社内スタジオのネットワーク環境について相談させていただいたほか、より安定した撮影配信を実現するために、追加でWi-Fiルーターをご用意いただくなど、当初の予定になかった準備についても快く引き受けていただけたのがありがたかったです。

前日リハーサルで想定外のシナリオ変更。VSMプラットフォームの設定やカメラ割りも直前まで修正

バーチャルオンリーの準備で大変なことはありましたか。

亀沢:当社として初のバーチャルオンリーであったため、社内でも開催イメージが固まらず、直前まで細かな調整があったことが大変でした。たとえば、資料や映像の株主からの見え方について社内から質問がありましたが、私自身も詳しくは把握できていませんでした。そのため、株主からの見え方については、図を描きながら「この位置に社長を映したいのですが設定できますか?」と、ICJとNTTビズリンクへ相談し、直前まで調整を行いました。

阿部:本当に、株主総会当日まで様々な調整や変更が出ましたね。当初、資料は昨年のものを踏襲するつもりでしたが、社内から「デザインを刷新したい」という要望があったため、株主総会当日まで修正作業が続いていました。バーチャルオンリーに必要な招集通知の記載内容については、ICJから他社事例やドラフトを共有いただき、大変助かりました。

亀沢:前日リハーサルでの出来事も忘れられません。通しリハーサルの内容を踏まえて、急遽、株主総会本番のシナリオを一部変更することになりました。

その際も、まずはICJに、シナリオ変更によるプラットフォーム設定への影響について確認しました。「VSMプラットフォームは、前日リハーサルや株主総会当日に急な変更が生じた場合にも、リアルタイムで設定変更が可能」とご案内いただき、安心しました。プラットフォームの設定や投影資料の変更のため、ICJとNTTビズリンクにはリハーサル後も遅くまで対応いただきましたが、おかげさまで、何とか本番に間に合わせることができました。

阿部:前日リハーサルでは、シナリオ変更に加えて、登壇者をどのタイミングで画面に映すかという話し合いもありました。当初の予定では、株主総会の冒頭で登壇者を映す予定でしたが、全体の流れを考慮した結果、決議終了後に映すこととなったため、直前でNTTビズリンクにカメラ割りを変更してもらいました。本来なら私たちが画面を確認しなければならないところですが、進行表に合わせて臨機応変に対応してもらい、大変助かりました。

社内スタジオを利用したことで臨機応変な準備につながった

撮影配信会場として社内スタジオを選定されていますが、どのように活用されましたか。

阿部:社内にスタジオがあるため、バーチャルオンリーの撮影配信は社内スタジオから行いました。グリーンバックの前に机と椅子を設置し、背景は合成して演出をしました。

亀沢:社内スタジオを活用したことで、急な変更にも柔軟に対応できました。たとえば、運営用のモニターを追加したり、株主からの質問を手元で確認してもらえるよう、役員席にパソコンを設置したりと、その場で相談をしながら機材の調整ができました。また、リハーサル中に資料の変更が発生した際も、すぐに印刷し直して共有できたのは社内スタジオだからこそです。もし社外の会場だったら、手書きで修正していたかもしれません。

他にも、早い段階からICJやNTTビズリンクに下見をしていただけたり、株主総会の1週間前から少しずつ必要なものを運び込んだりすることもでき、社内スタジオで開催する利便性を最大限に活用できたと思います。

2024年のバーチャルオンリーで実際に使用した社内スタジオ

役員と事務局の連携がスムーズに。本番ではバーチャルオンリーのメリットを実感

バーチャルオンリー本番の運営はいかがでしたか。

阿部バーチャルオンリー本番の運営では、VSMプラットフォームの対応はICJに、撮影配信はNTTビズリンクにお任せし、私たちは議事進行に集中できました。議決権行使の際は、私の両隣にICJの担当者が座り、画面操作をサポートいただきました。また、株主から質問が入った際にも、すぐに連携できる体制を整えていただきました。

株主から明らかに「質問」として捉えられる内容が、「動議」として送られてきた時は少し焦りましたが、その場ですぐに、ICJから「明らかに動議ではないと判断できる場合には、質問として取り上げた他社事例もある」とアドバイスをいただき、冷静に対応することができました。

当日質問の回答に向けては、株主から受け付けた質問を、大型モニターを使用してリアルタイムで表示し、役員に見せるという方法をご提案いただきました。役員に大型モニターで質問内容を確認してもらいながら、事務局がカメラの外で回答の準備を行うことができたため、落ち着いて対応できました。

亀沢:リアルの株主総会では、株主の皆さまの前で役員と事務局が長時間相談することは難しいですが、バーチャルオンリーであれば、配信画面から見えないところで指示を出したり、次の動きの準備をしたりできるのは大きな利点だと感じました。

株主からVSMプラットフォームに関する問い合わせなどはありましたか。

亀沢:バーチャルオンリーの質問方法に関して事前のお問い合わせが1件だけありましたが、VSMプラットフォームの操作などに関する問い合わせは、当日を含めてありませんでしたね。株主の皆さまは操作に悩まれることなく、バーチャルオンリーに出席いただけたのではないかと思います。私もVSMプラットフォームを実際に触ってみて、直感的に操作ができる印象を受けました。

リアル総会より運営しやすいバーチャルオンリー。ICJとNTTビズリンクのサポートで未経験でも安心

初めてのバーチャルオンリーを終えられた感想や、その効果をお聞かせください。

亀沢:2024年11月は当社として初のバーチャルオンリーで、右も左も分からない状態からのスタートでした。そのため、準備段階では様々な課題に直面し、不安を感じることもありました。しかし、 ICJとNTTビズリンクをはじめとする専門家の皆様のサポートがあったからこそ、それらの課題を一つ一つクリアし、無事に本番を迎えることができたと思います。

阿部本当に、ワンチームで取り組めたという印象が強いです。リアルの株主総会は社内でほぼすべての準備を行っていましたが、バーチャル株主総会はプラットフォームの準備や操作、撮影配信などもあり、自社では完結できません。ICJとNTTビズリンクの丁寧なサポートで、バーチャルオンリーの知識がほとんどない状態でも無事に開催できたのだと思っています。

亀沢:最初は、バーチャルオンリーはリアルの会場での株主総会よりもハードルが高いと感じていました。しかし、リアル総会では会場までの案内係や受付、お手洗いのご案内や資料の配布などがあるため多くの人員が必要な反面、バーチャルオンリーではそれらがないため少人数で効率よく運営ができます。また、映像に映らない場所であれば役員や事務局が自由に動くことができて臨機応変に対応できるため、リアル総会より運営しやすいと感じました。

阿部今回の経験は、次回に向けて大きな自信につながりました。社内でも「バーチャルオンリーでも問題なく株主総会が開催できる」という認識が浸透したように感じます。今後もバーチャルオンリーで開催していきたいですね。

今後、株主エンゲージメント強化へ向けて取り組みたいことはありますか。

阿部:今回のバーチャルオンリーでは、事前質問の受け付けや株主総会終了後のアンケートの実施まではできませんでした。VSMプラットフォームにはこれらの標準機能がありますので、今後は株主の皆さまのご意見を幅広くいただくためにも、上手く活用していきたいと考えています。

最後に、バーチャルオンリーを検討されている発行会社の方々にメッセージをお願いします。

阿部バーチャルオンリーは、物理的制約に関係なく、幅広い株主に出席機会を提供できます。同時に、映像に映らない場所であれば役員や事務局が比較的自由に動けるため、運営の効率化も実現することができます。

バーチャルオンリーには、多くの条件をクリアしなければならないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ICJとNTTビズリンクのサポート体制が非常に充実しているので、運営自体は未経験者でも心配する必要はないと思います。

亀沢:そうですね。当社も前任の担当者が退職し、急遽、新任担当者だけでバーチャルオンリーを開催するのは難しいと思っていましたが、ICJとNTTビズリンクの丁寧なサポートがあったおかげで、問題なく開催できました。

今後バーチャル株主総会やバーチャルオンリーを検討されている発行会社様は、ぜひ一度ICJとNTTビズリンクにご相談されることをおすすめします。

本日は貴重な話をお聞かせくださりありがとうございました。

(取材日:2025年1月)

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