仕組み
「議決権電子行使プラットフォーム」は株主総会での機関投資家の議決権行使環境の改善を目的とし、株主総会に関わる国内外の関係者をシステム・ネットワークで結びつけることにより、総会の議案情報の伝達、議決権の行使、行使結果の集計をすべてストレート・スルー・プロセッシングで行う証券市場における革新的なインフラストラクチャーです。
導入の背景
- 株主構成の変化
- 株式の持合い解消が進み、国内外の機関投資家が株主としての存在感を増しています。
- 受託者責任を果たす取組み
としての議決権行使 - 多数の発行会社の株式を保有する機関投資家が適確に議決権行使できる市場環境の整備が急務となっています。
- 企業価値・株主価値を高める
対話の必要性 - 議決権電子行使プラットフォ―ムは、2005年12月期よりサービスを開始し、発行会社と機関投資家との建設的な対話の手段の一つとして活用されています。2015年6月に施行された「コーポレートガバナンス・コード」においても対話の必要性が取り上げられています。
議決権行使プロセスの電子化とは
株主総会における議決権電子行使には2種類あります。
- 株主名簿管理人の電子投票システム
- 株主名簿上の名義株主が対象
- ICJの議決権電子行使プラットフォーム
- 名義株主の背後にいる実質株主が対象
ICJの提供する議決権電子行使プラットフォームでは、名義株主ではなく、実質株主による電子行使が特徴であり、実質株主に対して直接、議決権行使の機会を提供します。また、発行会社はその行使情報をタイムリーに把握することができます。
プラットフォーム導入前後の議決権行使プロセス
導入前
- 問題点
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- 機関投資家
- 議案検討期間(3~5日程度)が短く、入手可能な議案情報が限定的なため、時間不足や情報不足の中で議決権行使をしています。
- 発行会社
- 株主名簿上の名義株主によって集計がされる都合上、総会直前まで機関投資家の行使状況を把握できず、賛成率が低い議案等への迅速な対応が困難です。
導入後
- 仕組み
- 発行会社がTDnetに登録した招集通知がプラットフォームに掲載され、その議案情報をもとに機関投資家は招集通知発送日からプラットフォーム上で議決権行使を実施します。
行使結果は発送日の翌日から総会前日まで1日2回、専用回線で株主名簿管理人に送られ、発行会社はタイムリーに行使推移を確認することができます。